2010年関西懇話会2

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【目の疲れと運転】
 眼を使うと疲れるのか、すごく眠たいのですが、運転はしないほうが良いでしょうか。
  ご自分で運転は恐いと思ったら止めて下さい。剥離手術をされた方でも、全然支障なく運転されている方もいらっしゃいますが、状態は一人ひとり違います。強
度近視の方は網膜の感度が悪いので、夜は明るいところから暗いところに入ったときなど、見えなくなってしまうことがあります。そういうことがありますので、運転
には十分気をつけて下さい。
【眼の中にリング状の皺が見える】
 8年前左眼が網膜剥離になり、強膜内陥術をしました。強度近視なので、15年くらい前から、網膜裂孔にレーザーを2〜3回やり、網膜が薄くなっているので気を
つけなさいと言われていました。その後レーザーでは孔が塞がらないので手術しました。

 車の運転をする時は、コンタクトをした上に眼鏡をかけ、1.0くらいの視力が出ています。疲れてくると眼の中にリング状の皺が出来て、焦点が定まらない感じになり、体調が戻るとなおります。

 これは偏頭痛の症状に似ています。脳の中の血管が異常に拡張する方は、脳に刺激が与えられるので、ギザギザが見えたり、モザイク模様が見えたりした後
、30分くらいで頭が痛くなることがあります。これは脳血管拡張による偏頭痛という症状です。他にも脳の血管に瘤があって、周囲に刺激を与えると似たような症
状が出る可能性があります。脳外科で、脳の血管造影をするMRA検査を受けられると良いでしょう。

 眼から出てきた神経は、途中で交差して最後に後頭葉の一ヶ所に集まります。両眼に症状が出るならば、眼そのものよりも脳の問題だと思います。眼から来たデータを脳で判断するところに、何か異常があるとき、もしくは眼から出てきた信号が交差する近辺で何かが起こった場合、両眼に症状が出ます。片眼だけに起こるのであれば、考えられるのは首の内頸動脈です。右の内頚動脈から右の眼動脈、左の内頚動脈から左の眼動脈に通じています。内頚動脈に動脈硬化が起こって、そういう症状が出ることがあります。
【網膜剥離のレーザー治療】
 網膜剥離の症状が軽ければ、レーザーだけで治りますか。
 網膜剥離が起こっていなければ、レーザーだけで治せます。網膜剥離が起こってしまうと、レーザーだけでは癒着が起こせません。剥れている箇所の周囲にレ
ーザーを強く撃つこともありますが、そうしますと眼の中の炎症が強くなります。剥離が起こっていれば基本的に手術です。
【バックリングの後は】
 バックリング手術の後にもレーザーをしますか。
 バックリング手術のときは、冷凍凝固、ジアテルミーなどで裂孔の周囲を凝固させます。一週間くらいで治療の跡は瘢痕化していきますが、その時点で、ちょっと
弱いなとか、もう少ししっかりくっ付いてくれるといいなと思うときには、後でレーザーを追加することもあります。手術後のレーザーは強烈に痛いので、少しやって
みて痛いとなれば、痛み止めを飲んでいただきます。

 今はアルゴンレーザーですが、以前はキセノンといってもっと強力なレーザーでしたから、かなり痛かったと思います。網膜は痛みを感じないのですが、網膜の外側にあって血管の豊富な脈絡膜が、炎症を起こして痛みを感じます。今は脈絡膜まで炎症が行かないように、光の波長を選んでレーザーをしていますが、それでも少しは痛いようです。

 人によって痛みの感じ方が違うのですが、場所によっても痛いところと痛くないところがあります。少しやってみて痛いようですと、痛み止めの注射をしたり、次回からレーザーをやる30分前に痛み止めを飲んで頂いたりします。

 糖尿病の方は、標準1回300発くらい、網膜剥離の方より広範囲にレーザーをやりますので、かなり痛いです。4〜5回に分けて対応しているのですが、1回目より2回目、2回目より3回目と段々痛くなるようです。

【瞼が開かない】
 検査のとき瞼が開かないのですが、何かよい方法がありますか。
 手術の際には瞼を器具で開け、目の玉を上下左右に動かしている筋肉に糸を掛けて、手術しやすいように引っ張ります。その筋肉が、瞼を上げる筋肉(上眼瞼挙筋〜じょうがんけんきょきん)と奥でくっ付いています。そのため手術が複数回になると、瞼が下がってくる人が多いです。ご不便でしたら、眼瞼下垂の手術をするのも一つの方法です。疲れてくると下がって来ることもあります。

 コンタクトレンズをされている人には「コンタクトレンズ眼瞼下垂」というものがあります。コンタクトレンズを取り外す時に、瞼の後ろ側にある上眼瞼挙筋を刺激するために、瞼が下がってくるという症状です。これは剥離の手術に関係なく、強度近視の方で、長年コンタクトレンズを使用されている方に起こります。
【強度近視と高齢化】
 コンタクトレンズを50年くらい使用しています。強度近視なのですが、これから年齢が上がるにつれて、どんなことに注意したらよいでしょう。
 年齢とともに、軽い白内障が出てくると、水晶体の中の屈折率が変化し、物がダブって見えてくることがあります。強度近視の人は、白内障の手術を早めにするのも一つの方法です。眼内レンズを入れると分厚い眼鏡がいらなくなり、コンタクトレンズも使わずに済みます。

 50年コンタクトレンズを入れているとなると、角膜内皮細胞が大丈夫かなという心配があります。最近のレンズは酸素の透過性が良いですが、昔はガラスのようなもので眼を覆ってしまうため、角膜内皮がダメージを受けている場合があります。

 ただ白内障の手術で網膜剥離を起こすこともあります。白内障の手術をしますと、水晶体の厚みがなくなるので、その分だけ硝子体が前に来やすくなり、若干、膜剥離の危険性が高くなります。しかし日本では年間12万人に白内障手術が行われています。手術が合併症無く終わった場合、まず網膜剥離の危険はありません。

 昔は、直径6mmの眼内レンズを入れるには、6mm切らなければならず、傷口が大きいと合併症を起こしやすかったのです。今は、2.75mmの傷口があれば、眼内レンズが入ります。アクリルのレンズは柔らかいので、6mmのレンズを丸めて眼の中に入れるからです。さらに改良して、2mmの傷口でよいというレンズも、出来つつあります。手術時間は長くて30分、早くて10分で終わり、安全性が高くなっています。(会報223号から転載)
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